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ふらっと

ふらっと

Intermission 6

「おやっさんが・・死んだ?!」
 巡洋艦ベオグラードに帰還し、艦橋でミユキ伍長から受けた報告にシフォンは自分の耳を疑った。
「ミユキ伍長、冗談はよせ・・・」
「本当です・・・先の戦闘で敵MAの放ったビームがMSデッキを貫き、その場で作業していたアキジ整備班長他数名が・・・」
 それ以上ミユキ伍長は言葉がでなかった。
 サイクロン小隊結成以前より、何かと面倒を見てくれたアキジ整備班長の死亡の報告など未だにシフォン自体信じられなかった。
「誰だって・・・・死ぬんだよ・・・!」
 シン艦長は右腕で頭を抱え、悔しがりながら呟いた・・・。
 しかし、ベオグラードの人的被害はそれだけではなかった。
 タイフーン2である、ルロイ・ギリアム少尉と、ハリケーン小隊のヘレン・ログナー軍曹の戦死。戦闘指揮官「タイフーン1」クワトロ・バジーナ中尉の乗るレッドウォーリアの中破・・・超巨大MAの直撃コースのビームを避け切ったのは流石としか言いようが無いが、バイザーの砕けた破片が顔にかなり深く刺さり、パイロットであるクワトロも重症。
 レッドウォーリアも一週間や十日での修理は無理であろう・・・何より「おやっさん」が居ないのである。ベオグラードのMS部隊の過酷な整備状況を支えていたアキジ整備班長の戦死はかなり深刻な問題だった。
「どうなっちゃうんでしょうね・・・俺たちこれから・・・この戦争も・・・」
 アービスの言葉にシフォンは答える事が出来なかった・・・。

 こうして、UC0079年12月25日、残敵掃討を完了した地球連邦軍は宇宙要塞ソロモンに進出、これを占領した。ここに「チェンバロ作戦」は終了し、以降、同要塞はジオン公国軍所有のア・バオア・クー及びサイド3攻略の前進基地とされ、地球連邦軍から「コンペイトウ」という名称で呼ばれる事となったのである。


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